「育休を取ることは決めた。でも、何から準備すればいいんだろう?」
そう感じているパパに向けて書いた記事です。
私自身、2人目の出産を機に約2ヶ月の育休を取得しましたが、「決断する」と「準備する」は全く別の話でした。
会社への伝え方、手続きの流れ、お金の準備——知らないまま育休に入ると、余計なストレスを抱えることになります。
この記事では、実際に経験した社内調整の流れから、給付金・社会保険の手続き、家庭内の準備まで、育休前にやっておくべきことを具体的にまとめます。
まず知っておきたい「育休は休みではない」という前提
準備の話に入る前に、一つだけ伝えておきたいことがあります。
育休は「休暇」ではありません。
仕事からは一時的に離れますが、生活の軸が仕事から育児へと丸ごと切り替わる期間です。朝起きる時間、食事のタイミング、外出できるかどうか、すべてが子ども中心になります。
特に感じたのは、育児には仕事のような「達成感の見えやすさ」がないという点です。
夜に子どもを寝かしつけた後、「今日は何をしたんだろう」と虚しさを感じる日もありました。1日中動いているのに、疲れているのに、「休めた感じ」がしない。
大変なのが前提、この認識を持って準備することが、育休中の気持ちの折れ方を大きく変えます。
【社内調整】会社への申請はこう進めた
育休準備の中で、最も早く動くべきなのが社内調整です。私が実際に経験した流れを紹介します。
実際の社内調整の流れ
私はITコンサルタントとしてクライアントワークを担当しているため、調整に時間がかかりました。大まかな流れはこうです。
- 直属のリーダーへ相談 まず一番近い上司に育休取得の意向を伝えます。ここで反応を確認しつつ、スケジュール感を共有します。
- アカウント統括へ相談 クライアント案件を管理する統括層への報告。「いつから不在になるか」「誰に引き継ぐか」の方針を決める段階です。
- 離任までのスケジュール調整 育休開始日から逆算して、引き継ぎ完了のタイムラインを設定します。
- 復帰後のアカウントをどうするか調整 育休後に現在の担当に戻るかどうかを確認。育休中に案件がどう動くかによって変わります。
- 人事との社内手続き 育休申請書類の提出、復帰予定日の確認など。会社ごとに様式が異なるので、人事・総務に確認を。
- 引き継ぎ内容の確認・実施 担当業務のドキュメント化、引き継ぎ先との打ち合わせ。属人化している業務は特に早めに整理します。
社内申請で意識したこと
早めに動くほど調整しやすい
法律上は育休開始の1ヶ月前までに申請すれば問題ありませんが、実務上は2〜3ヶ月前から動き始めるのが理想です。妊娠が安定した段階で、まず上司に意向を伝えるだけでも全然違います。
「取ります」だけでなくスケジュール案を出す
「育休を取りたい」と伝えるだけでなく、「いつから・どれくらいの期間・引き継ぎはこう進める」という案を一緒に出すと、職場の受け取り方が変わります。会社側が「どう対応すればいいか」をイメージしやすくなるためです。
二人目でも同じように準備する
制度上は一人目・二人目で違いはありませんが、「また取るの?」という空気を感じる職場もあります。準備と説明をしっかりすることで印象は大きく変わります。
【お金の準備】給付金の仕組みと家計シミュレーション
育休準備の中で、最も「知っておけばよかった」と感じたのがお金の話です。
育児休業給付金の基本
育休中は雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
- 育休開始〜6ヶ月:賃金の67%(手取りの約8割相当)
- 6ヶ月以降:賃金の50%(手取りの約6割相当)
金額だけ見ると「思ったより出る」と感じるかもしれません。ただし、大きな落とし穴があります。
給付金は「すぐに振り込まれない」
育児休業給付金は、約2ヶ月ごとにまとめて後払いされます。
私の場合、5月末に育休を開始しましたが、最初の振り込みは8月頃になる見込みです。つまり育休開始から約2〜3ヶ月間は実質無収入の状態が続きます。
実際の家計対応
この期間をどう乗り切ったかというと、
- 貯金の切り崩し(メインの対応)
- 投資資産の一部売却
- 子ども名義の口座も含めた現金のかき集め(給付金が入ったら戻す予定)
産後は医療費・ベビー用品・外食の増加など不意の出費が重なります。「給付金があるから大丈夫」と思っていると、最初の数ヶ月で想定外の現金不足に陥ります。
育休前にやっておくべき家計準備
| やること | タイミング |
|---|---|
| 毎月の固定費を把握・見直す | 育休3ヶ月前 |
| 最低3ヶ月分の生活費を現金確保 | 育休3ヶ月前 |
| ふるさと納税を活用する | 育休前年度中(育休中は収入が減るため控除額が下がる) |
| クレジットカードの引き落とし日を確認 | 育休1ヶ月前 |
| 給付金の初回振り込み時期をシミュレーション | 育休1ヶ月前 |
お金の不安は、育児のしんどさを何倍にも増幅させます。準備は「安心材料を作ること」だと思って取り組んでください。
【手続き】社会保険料の免除など押さえておくべきポイント
育休中は社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除されます。これは意外と大きなメリットです。
社会保険料免除の概要
- 対象:育休期間中(月をまたぐ場合など条件あり)
- 手続き:基本的に会社(人事・総務)が行う
- 効果:手取りは減っても、年金の記録上は支払ったのと同等に扱われる
私の場合は会社が手続きをしてくれましたが、自分で申請が必要なケースもあるため、事前に人事・総務に確認しておきましょう。
その他確認しておくべき手続き
- 育休申請書類の提出(会社ごとに様式が異なる)
- 育児休業給付金の申請(会社経由でハローワークへ)
- 出生届・児童手当の申請(市区町村役場)
- 医療保険の扶養追加(赤ちゃんを扶養に入れる手続き)
手続きが多く感じますが、すべてを完璧に理解する必要はありません。
「何があるかをざっくり知っておく」「わからないことを聞ける状態にしておく」——この2点だけで、育休中の混乱はかなり防げます。
制度の詳細は厚生労働省の育児・介護休業制度ページが参考になります。
【家庭内準備】育休前に夫婦で話し合っておくこと
育休準備の中で、実は一番重要だったのが夫婦間の認識合わせです。
私自身、「自分なりに頑張っているつもり」と思っていた時期がありました。でも妻から見れば、期待していた役割とは違っていた部分があり、お互いにストレスを溜め込んでしまいました。
話し合いが足りないまま育休に入ると、必ずどこかでズレが生まれます。
育休前に話し合っておくべきこと
役割分担の確認
- 朝は誰が何をするか
- 保育園・幼稚園の送迎はどちらが担当するか
- 平日の家事はどこまでパパが担うか
「どこまでやれば十分か」の基準 完璧を目指すと必ず折れます。「70点でOK」という共通認識を作っておくだけで、育休中の気持ちが全然違います。
お互いが一番不安なこと 育休中に何が不安か、何をしてほしいか——正解を決める必要はなく、「どう感じているかを共有する」ことが大切です。
【メンタル準備】しんどくなることを知っておく
育休中に一番しんどかったのは、家事でも育児でもなく、気持ちの部分でした。
平日の昼間、子どもと過ごす時間が続くと、社会から切り離されたような感覚になります。誰とも会話しない日がある、仕事をしていない自分に焦りを感じる。特に男性は育休経験者が周囲に少なく、相談相手が見つかりにくいのが現実です。
私はSNSで同じ立場のパパの発信を見たり、短時間でも誰かと連絡を取ることで気持ちを保っていました。「同じように悩んでいる人がいる」とわかるだけで、心はかなり軽くなります。
育休中に気持ちが落ち込むのは、決して珍しいことではありません。
それだけ環境が大きく変わっているという証拠です。しんどくなることを事前に知っておくだけで、いざそうなったときの受け止め方が変わります。
よくある質問(FAQ)
育休準備についてよくある質問をまとめます。
Q. 会社への申請はいつまでにすればいいですか?
法律上は育休開始の1ヶ月前までですが、実務上は2〜3ヶ月前から動き始めるのが理想です。クライアントワークや引き継ぎが必要な職種は特に早めの相談を推奨します。
Q. 育休給付金はいくらもらえますか?
育休開始から6ヶ月は賃金の67%(手取りの約8割相当)、その後は50%(約6割相当)が支給されます。ただし2ヶ月ごとの後払いのため、育休開始直後は収入ゼロの状態が続く点に注意が必要です。
Q. 社会保険料の手続きは自分でやる必要がありますか?
多くの場合は会社(人事・総務)が手続きをしてくれます。ただし会社によって異なるため、事前に確認しておくのが安心です。
Q. 育休中の生活費はどう準備すればいいですか?
最低3ヶ月分の生活費を現金で確保しておくことを強くおすすめします。産後は不意の出費がかさみ、給付金の振り込みまでに時間がかかるため、手元の現金が想定以上に減ります。
Q. 育休後、仕事復帰はスムーズにできますか?
最初は感覚が戻らず戸惑うこともありますが、徐々に慣れていきます。育休で身につく時間管理力や優先順位付けが、復帰後の仕事に活きる場面も多くあります。育休はキャリアを止めるものではなく、人生全体の視点を広げてくれる期間だと感じています。
Q. 二人目でも育休は取りにくくなりますか?
制度上は一人目・二人目で違いはありません。職場によっては空気を感じることもありますが、取得理由・期間・引き継ぎ計画を具体的に示すことで印象は大きく変わります。
まとめ
育休の準備は「完璧にやること」が目的ではありません。
「知らないまま入る」より「少し知った状態で入る」それだけで育休中の安心感は段違いに変わります。
社内調整は早めに動く、お金は3ヶ月分の現金を確保する、夫婦で役割を話し合っておく。この3つだけでも、育休のスタートが大きく変わります。
育休は大変な期間です。でも、それ以上に得られるものがある期間でもあります。準備を整えて、家族と向き合う時間を存分に使ってください。
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