📌 この記事でわかること
- 社内調整は「育休の2〜3ヶ月前」から、計画案を持って相談するとスムーズ
- 育児休業給付金は後払い。最初の2〜3ヶ月を乗り切る手元資金がカギ
- 夫婦の「期待値のすり合わせ」が、育休中のストレスを一番減らす
「育休を取ることは決めた。でも、何から準備すればいいんだろう?」
そう感じているパパに向けて、この記事を書きました。
私はITコンサルタント(マネージャー)として働きながら、2人目の出産を機に3ヶ月の育休を取得しました。そこで痛感したのは、「決断する」と「準備する」はまったく別物だということです。
会社への伝え方、手続きの流れ、お金の段取り。知らないまま育休に入ると、育児そのもの以外のところで余計なストレスを抱えることになります。
この記事では、私が実際に経験した社内調整の流れから、給付金・社会保険の手続き、夫婦での話し合いまで、育休前にやっておくべき準備を実体験ベースでまとめました。
結論:パパ育休の準備は「社内・お金・夫婦」の3本柱
先に結論です。育休準備でやることは多く見えますが、大きく分けると次の3つに集約されます。
| 準備の柱 | いつから | 一番のポイント |
|---|---|---|
| 社内調整・引き継ぎ | 育休の2〜3ヶ月前 | 「取ります」ではなく計画案を持って相談する |
| お金の準備 | 育休の2〜3ヶ月前 | 給付金は後払い。初回振り込みまでの生活費を確保 |
| 夫婦の話し合い | 出産前〜育休直前 | 役割分担と「どこまでやれば十分か」をすり合わせる |
✅ ポイント 手続きの細かい中身は、会社や役所が案内してくれます。パパが自分で先回りすべきなのは、「職場の段取り」「手元のお金」「夫婦の認識」の3つです。
ここから、それぞれ詳しく解説します。
まず知っておきたい「育休は休みではない」という前提

準備の話に入る前に、ひとつだけ伝えておきたいことがあります。
育休は「休暇」ではありません。 仕事から一時的に離れるだけで、生活の軸が「仕事」から「育児」へ丸ごと切り替わる期間です。起きる時間も、食事のタイミングも、外出できるかどうかも、すべて子ども中心になります。
特にしんどかったのは、育児には仕事のような「達成感の見えやすさ」がないことでした。
1日中動き回って、疲れているのに「休めた感じ」がしない。子どもを寝かしつけたあと、「今日、自分は何をしたんだろう」と虚しくなる夜もありました。
「大変なのが前提」。この認識を持って準備するだけで、育休中の心の折れ方は大きく変わります。
【社内調整】会社への伝え方と引き継ぎの進め方
準備の中で最も早く動くべきなのが社内調整です。私はクライアントワーク中心のITコンサルタントなので、調整にはそれなりに時間がかかりました。
実際に進めた6ステップ
| ステップ | 相談相手 | やること |
|---|---|---|
| ① 意向を伝える | 直属のリーダー | 育休取得の意向とおおまかな時期を共有 |
| ② 体制を決める | アカウント統括 | 不在期間と引き継ぎ先の方針を決める |
| ③ スケジュールを引く | リーダー・統括 | 育休開始日から逆算して引き継ぎ完了日を設定 |
| ④ 復帰後を決める | アカウント統括 | 復帰後に今の担当へ戻るかを確認 |
| ⑤ 社内手続き | 人事・総務 | 育休申出書の提出、復帰予定日の確認 |
| ⑥ 引き継ぎ実施 | 引き継ぎ先 | 業務のドキュメント化と打ち合わせ |
仕事でいえば、プロジェクトの体制変更とほぼ同じ流れです。キーマンへの相談 → 体制決定 → スケジュール → 実行、という順番を意識すると迷いません。
動き出しは「育休2〜3ヶ月前」が目安
法律上、育休の申出は原則開始予定日の1ヶ月前まで(産後パパ育休は原則2週間前まで)です。ただ実務上は、2〜3ヶ月前から動き始めるのが理想でした。
妊娠が安定した段階で、まず上司に「取るつもりです」と伝えるだけでも、その後の調整のしやすさがまったく違います。
「取ります」ではなく「計画案」を持っていく
「育休を取りたいです」だけで相談すると、上司は「で、どうするの?」から考えることになります。
そこで私は、「いつから・どれくらいの期間・引き継ぎはこう進める」という案を一緒に持っていきました。コンサルの仕事でいえば、課題だけでなく解決策をセットで提案するイメージです。会社側も対応をイメージしやすくなり、話が一気に前に進みました。
引き継ぎを具体的にどう進めたかは、こちらの記事で詳しくまとめています。
👉 育休の引き継ぎ術|管理職が実践した「属人化解消」3ステップ
2人目の育休でも準備の手は抜かない
制度上、1人目と2人目で違いはありません。それでも職場によっては「また取るの?」という空気を感じることもあります。
だからこそ、2人目でも1人目と同じ丁寧さで準備と説明をする。これだけで、周囲の受け止め方は大きく変わります。
【お金】給付金は「後払い」。最初の2〜3ヶ月を乗り切る準備

育休準備の中で、私が一番「知っておけばよかった」と感じたのがお金の話です。
育児休業給付金の基本
育休中は、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
| 期間 | 給付率(休業前の賃金に対して) | 手取りの目安 |
|---|---|---|
| 育休開始〜180日 | 67% | 約8割相当 |
| 181日目以降 | 50% | 約6割相当 |
さらに2025年4月からは、夫婦ともに出生後の一定期間内に14日以上の育休を取ると、最大28日間は給付率が13%上乗せされる「出生後休業支援給付金」も始まっています。条件を満たせば、その期間は合計80%(手取りでほぼ10割相当)になります。
給付金は非課税で、育休中は社会保険料も免除されるため、数字だけ見ると「思ったより出る」と感じるかもしれません。ただし、大きな落とし穴があります。
最大の落とし穴は「振り込みが遅い」こと
育児休業給付金は、原則2ヶ月ごとにまとめて後払いされます。
私の場合は5月末に育休に入りましたが、初回の振り込みは8月頃の見込みでした。つまり、育休開始から2〜3ヶ月は、実質「収入ゼロ」の期間が続くということです。
しかも産後は、医療費、ベビー用品、外食や宅配の増加など、想定外の出費が重なります。「給付金があるから大丈夫」と思っていると、最初の数ヶ月で手元の現金が一気に減っていきます。
我が家の乗り切り方
我が家はこの期間を、貯金の取り崩しをメインに乗り切りました。それでも「もっと早く、いくら必要かを計算しておけばよかった」というのが正直な感想です。
育休前にやっておきたい家計準備チェックリスト
- ✅ 毎月の固定費(住居費・保険・通信費など)を書き出す
- ✅ 給付金の初回振り込みまでにかかる生活費を計算する
- ✅ その金額を「すぐ使える現金」として確保しておく
- ✅ 育休中も住民税は通常どおり支払いが続くことを確認する
- ✅ 出産・新生児期の出費(ベビー用品など)を別枠で見積もる
✅ ポイント お金の不安は、育児のしんどさを何倍にも増幅させます。家計準備は「節約」ではなく、育休中の自分たちに「安心材料」を用意しておくことだと考えてください。
※給付金の金額や要件は、賃金額や取得時期によって異なり、制度改正もあります。最新情報は厚生労働省「育児休業等給付について」や勤務先の人事・総務でご確認ください。
【手続き】育休前後に必要な手続き一覧

社会保険料(健康保険・厚生年金)は免除される
育休中は、健康保険と厚生年金の保険料が免除されます。これは意外と大きなメリットです。
- 手続き:基本的に会社(人事・総務)が行う
- 効果:保険料を払わなくても、将来の年金額の計算上は「払ったもの」として扱われる
- 注意:月末時点で育休中かどうかなど、免除される月には条件がある
私の場合は会社が手続きしてくれましたが、会社によって運用が異なるため、事前に人事・総務へ確認しておくと安心です。
押さえておきたい手続き一覧
| 手続き | 窓口 | タイミングの目安 |
|---|---|---|
| 育休申出書の提出 | 勤務先(人事・総務) | 原則、育休開始の1ヶ月前まで |
| 育児休業給付金の申請 | 勤務先経由でハローワーク | 育休開始後、原則2ヶ月ごと |
| 社会保険料の免除 | 勤務先(人事・総務) | 育休開始時 |
| 出生届 | 市区町村役場 | 出生日を含め14日以内 |
| 児童手当の申請 | 市区町村役場 | 出生後すみやかに(原則15日以内) |
| 健康保険の扶養追加 | 勤務先 | 出生後すみやかに |
手続きの数は多く見えますが、すべてを完璧に理解する必要はありません。
「何があるかをざっくり知っておく」「わからないときに聞ける相手を把握しておく」。この2点だけで、育休中の混乱はかなり防げます。
【家庭内準備】夫婦で「期待値のすり合わせ」をしておく
振り返ってみると、実は一番重要だったのが夫婦間の認識合わせでした。
すれ違いは「頑張っているつもり」から始まる
育休に入った当初、私は「自分なりに頑張っている」と思っていました。でも妻から見ると、期待していた役割とズレている部分があり、お互いに少しずつストレスを溜めてしまいました。
仕事でいえば、キックオフで期待値を合わせないままプロジェクトを走らせたような状態です。話し合いが足りないまま育休に入ると、どこかで必ずズレが生まれます。
育休前に話し合っておきたい3つのテーマ
① 役割分担
- 朝のルーティンは誰が何をするか
- 上の子の保育園・幼稚園の送迎はどちらが担当するか
- 平日の家事はどこまでパパが担うか
② 「どこまでやれば十分か」の基準
完璧を目指すと、必ずどこかで折れます。「70点でOK」という共通認識を作っておくだけで、気持ちがずいぶんラクになります。
③ お互いが一番不安なこと
育休中に何が不安か、何をしてほしいか。正解を決める必要はありません。「どう感じているか」を共有すること自体に意味があります。
2人目以降の育休なら、上の子の気持ちのケアも話し合っておきたいテーマです。我が家で実践した方法はこちらにまとめています。
👉 上の子の赤ちゃん返り対策|ITコンサルパパの「親子1on1」実践法
【メンタル準備】しんどくなることを先に知っておく

育休中に一番しんどかったのは、家事でも育児でもなく、気持ちの部分でした。
平日の昼間、子どもと過ごす時間が続くと、社会から切り離されたような感覚になります。大人と会話しない日がある。仕事をしていない自分に焦る。特に男性は周りに育休経験者が少なく、相談相手が見つかりにくいのが現実です。
私はSNSで同じ立場のパパの発信を見たり、短い時間でも誰かと連絡を取ったりして気持ちを保っていました。「同じように悩んでいる人がいる」とわかるだけで、心はかなり軽くなります。
✅ ポイント 育休中に気持ちが落ち込むのは、珍しいことではありません。それだけ環境が大きく変わったという証拠です。「しんどくなるもの」と先に知っておくだけで、いざというときの受け止め方が変わります。
よくある質問(FAQ)
よくある質問をまとめています。
Q. 会社への申請はいつまでにすればいいですか?
法律上は原則、育休開始の1ヶ月前まで(産後パパ育休は2週間前まで)です。ただ実務上は、2〜3ヶ月前から相談を始めるのがおすすめです。クライアントワークなど引き継ぎが多い職種は、特に早めに動きましょう。
Q. 育休中の給付金はいくらもらえますか?
育休開始から180日までは休業前賃金の67%(手取りの約8割相当)、それ以降は50%(約6割相当)が目安です。条件を満たすと、最大28日間は上乗せで合計80%になります。ただし後払いのため、開始直後は収入が入らない期間がある点に注意してください。
Q. 社会保険料の手続きは自分でやる必要がありますか?
多くの場合、会社(人事・総務)が手続きしてくれます。ただし会社によって運用が異なるため、事前に確認しておくと安心です。
Q. 育休中の生活費はどう準備すればいいですか?
私の経験では、給付金の初回振り込みまでの2〜3ヶ月分を目安に、すぐ使える現金を確保しておくと安心でした。産後は予想外の出費が重なりやすいので、少し多めに見積もっておくのがおすすめです。
Q. 2人目でも育休は取りにくくなりますか?
制度上、1人目と2人目で違いはありません。職場の空気が気になる場合も、取得期間と引き継ぎ計画を具体的に示すことで、受け止め方は大きく変わります。
Q. 育休後、仕事復帰はスムーズにできますか?
最初は感覚が戻らず戸惑うこともありますが、徐々に慣れていきます。育休で身につく時間管理や優先順位づけが、復帰後の仕事に活きる場面も多いです。復帰前の準備はこちらの記事も参考にしてください。
👉 育休復帰前にやるべき5つの準備|3人育児パパの本音と不安
まとめ:「少し知った状態」で入るだけで、育休は変わる
育休の準備は、完璧にやることが目的ではありません。「知らないまま入る」より「少し知った状態で入る」。それだけで、育休中の安心感はまったく違います。
最後に、この記事のポイントをおさらいします。
- 社内調整:2〜3ヶ月前から、計画案を持って相談する
- お金:給付金は後払い。初回振り込みまでの生活費を現金で確保する
- 手続き:全部を理解しなくていい。「何があるか」と「誰に聞くか」を押さえる
- 夫婦:役割分担と「70点でOK」の基準を育休前にすり合わせる
- メンタル:しんどくなるのは当たり前、と先に知っておく
育休は大変な期間です。でも、それ以上に得られるものがある期間でもあります。準備を整えて、家族と向き合う時間を存分に味わってください。
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