「もっとちゃんとやらなきゃ」
ずっとそう思って生きてきました。仕事も、育児も、家事も。
ITコンサルとして働きながら3人の子どもを育てる中で、完璧を求めることが実は一番効率が悪く、しかも自分を追い詰めるだけだったと気づく瞬間が何度もありました。
特に3人目が生まれてからは、仕事も家庭も「全部120%でこなす」なんて到底無理な話で、どこかで折り合いをつけざるを得ませんでした。
この記事でわかること
- 仕事で「完璧」を目指すことが、実は自己満足だった理由
- 育児で「子どもをコントロールしたい自分」に気づいたきっかけ
- ワンオペ育児が教えてくれた「優先順位のつけ方」
- 完璧主義を手放してから、仕事・育児・家事がどう変わったか
先に結論からお伝えすると、仕事・育児・家事のどの場面でも、完璧を求める基準は、実は自分が勝手に作っていたものでした。
この記事では、これまで断片的に語ってきた「完璧を求めない」という考え方を、3つの場面での気づきとともにまとめて振り返ります。
仕事で気づいたこと|完璧主義は自己満足だった
ITコンサルの仕事を始めた頃、私は「完璧な提案・完璧な資料・完璧な進め方」を常に目指していました。徹夜してでも資料を磨き上げ、想定される質問すべてに答えを用意してから提出する。それが誠実さの証明だと思っていました。
しかし仕事を続ける中で気づいたのは、完璧を目指すよりも、途中段階でクライアントとすり合わせながら進める方が圧倒的に効率的だということです。
自分が「これで完璧だ」と思って作り込んだ提案でも、クライアントからすれば「そこまで求めていなかった」ということが何度もありました。方向性がずれたまま完璧を目指すことは、むしろ時間の無駄になります。
そしてもう一つ、もっと本質的な気づきがありました。
完璧を求めているのは、実は「自分の自己満足」だった。
誰のための完璧なのか。クライアントが本当に求めているのは「完璧な成果物」ではなく「課題が解決されること」です。自分の中の理想を追い求めることと、相手にとっての価値を提供することは、必ずしもイコールではありません。
これはシステム開発における「最初から完成形を作り込むウォーターフォール型」と「小さく作って検証を繰り返すアジャイル型」の違いにも近い感覚です。
この気づきがあってから、60〜70%の完成度でまず共有し、フィードバックをもらいながら仕上げていくというスタイルに変えました。結果的に、手戻りが減り、クライアントの満足度も上がりました。
(ITコンサルの具体的な仕事内容はこちらの記事で詳しく解説しています)
育児で気づいたこと|「子どもをコントロールしたい自分」との矛盾
育児を始めてすぐに直面したのが、子どもは絶対に思い通りにならないという現実でした。
片付けをしても、次の瞬間には散らかっている。ごはん中に遊び始める。着替えを拒否する。こうした毎日の積み重ねに、最初はかなりストレスを感じていました。
「早くしなさい」「ちゃんと片付けなさい」と、気づけば毎日同じ言葉を繰り返していました。
転機になったのは、育児本で読んだある一節です。
将来的に子どもが自主的に行動できるようになってほしいと願う親は多い一方で、子育て中はつい子どもをコントロールしようとし、思い通りにならないと親自身がストレスを抱えてしまう。
この文章を読んだとき、ハッとしました。自分は「自主性のある子に育ってほしい」と思っているはずなのに、日々の行動では「言うことを聞かせよう」としていた。
この矛盾に気づいたことが、育児における完璧主義を手放す大きなきっかけになりました。
子どもが思い通りにならないのは当たり前で、それこそが子どもが自分の意思を持って成長している証拠です。この視点を持てるようになってから、「今日は着替えに10分かかっても仕方ない」「遊び食べも成長の一部」と捉えられるようになり、イヤイヤ期の対応や日々のちょっとした反抗にも、以前より穏やかに向き合えるようになりました。
(気づきのきっかけになった育児本はこちら、イヤイヤ期の具体的な乗り越え方はこちらでまとめています)
家事で気づいたこと|ワンオペで心が折れかけた日
一番象徴的だったのが、妻が体調を崩してワンオペになった日々です。
普段は分担していた皿洗い・洗濯・掃除がすべて自分にのしかかり、そこに子どもの送り迎えも加わりました。家事が次々にたまっていく中、正直心が折れかけました。
「全部ちゃんとやらなきゃ」という気持ちで動いていたのですが、体力的にも精神的にも限界が来て、「これは今日やらなくていい」と割り切る判断をするようになりました。
- 洗濯物は畳まずカゴのまま
- 掃除は最低限の場所だけ
- 夕飯は品数を減らす
この経験を通して、優先度をつける力が明らかに上がりました。「今日絶対にやるべきこと」と「後回しにしても問題ないこと」を瞬時に判断できるようになったのは、このワンオペ期間の副産物です。
今では平常時の家事分担にも「完璧に半分ずつ」ではなく「その日の負担が大きい方に寄せる」という発想を取り入れています。
3つの気づきに共通すること|完璧の基準は誰が決めている?
仕事・育児・家事、それぞれ違う場面での気づきですが、根底には共通するものがあります。それは、「完璧を求める基準は、実は自分が勝手に作っているものだった」ということです。
- 仕事では「クライアントのため」と思っていたが、実は自己満足だった
- 育児では「子どものため」と思っていたが、実はコントロールしたい自分の欲求だった
- 家事では「家族のため」と思っていたが、実は限界まで頑張らなくても家庭は回っていた
完璧を求めること自体は悪いことではありません。ただ、その完璧さが本当に誰かのためになっているのかを、一度立ち止まって考えることが重要だと気づきました。
完璧主義を手放すために意識している3つの視点
上の3つの気づきを、日々の判断に落とし込むために意識していることをまとめます。
- 「誰のための完璧か」を先に問う:資料を1つ磨き込む前に「これは自分の満足のためか、相手や家族のためか」を一度切り分けます。答えが「自分のため」なら、そこにかける時間を減らす合図です。
- 60〜70%で一度立ち止まる:仕事も育児も、完成させてから見直すのではなく、途中の段階で一度手を止めて軌道修正します。100%を目指して走り切ってしまうと、方向がずれていたときの手戻りが大きくなります。
- うまくいかなかった日ほど振り返る:うまくいかなかった原因を自分を責める材料にするのではなく、「次はどこで線を引くか」という判断基準を更新するための材料として使います。
これは特別なテクニックではなく、日々の小さな場面で「今この完璧さは本当に必要か」と自問するだけの、地味な習慣です。
それでも積み重ねていくと、仕事・育児・家事のどの場面でも、判断のスピードと精神的な余裕が明らかに変わってきます。
完璧主義を手放してから変わったこと5つ
完璧主義を手放したことで、実際に変化したことをまとめます。
① 仕事 提案や資料を60〜70%の段階でクライアントと共有するようになり、手戻りが減少。育休前の引き継ぎでも「完璧な引き継ぎ」を目指さず「最低限の現状維持」ラインを合意することで、スムーズに進められました。(詳しくはマネージャーが育休を取るための引き継ぎ術へ)
② 育児 イヤイヤ期の対応、きょうだいゲンカの仲裁など、子どもをコントロールしようとするのではなく「まず受け入れる」姿勢に変わりました。(きょうだい育児のコツもあわせてどうぞ)
③ 家事 家庭内DXを推進する中でも、「すべてを完璧に自動化する」のではなく「負担が大きいものから優先的に仕組み化する」という発想に変わりました。
④ 筋トレ・自己管理 「できない日があってもいい」という考え方は、筋トレの継続にも活きています。完璧に週3回こなせなくても、自分を責めずに続けられるようになりました。
⑤ 心の余裕 「ちゃんとやらなきゃ」という緊張感が減った分、家族と過ごす時間そのものを楽しめるようになったのが、一番の変化かもしれません。
よくある質問(FAQ)
よくある質問をまとめています。
Q. 完璧主義をやめると、仕事の質が下がりませんか?
質が下がるというより、フィードバックを早く受け取れるようになることで、結果的に完成度が上がるケースが多いです。完璧を目指して一人で抱え込むより、早い段階で他者の視点を取り入れる方が、最終的な成果物の質は高くなると感じています。
Q. 育児で「子どもをコントロールしない」というのは、しつけをしないということですか?
そうではありません。ルールや約束事を伝えることは重要です。ただ、「親の思い通りに動かそう」とする姿勢と「子どもの自主性を尊重しながら導く」姿勢は別物だと気づいたということです。
Q. 完璧主義を手放すきっかけがつかめません
私の場合、ワンオペや仕事の失敗といった「限界を経験すること」がきっかけになりました。意図的に負荷をかける必要はありませんが、うまくいかなかったときに「なぜうまくいかなかったのか」を振り返る習慣を持つことが、気づきにつながると思います。
Q. 完璧主義的な性格は変えられますか?
性格そのものを変える必要はないと思います。私自身、今も完璧を目指したくなる場面は多いです。ただ「今この場面で完璧を求める必要があるか」を判断する視点を持てるようになったことが、一番の変化です。
まとめ|完璧を目指さなくても、仕事も育児も家事もうまく回る
仕事・育児・家事、それぞれの場面で完璧主義を手放したきっかけをまとめます。
- 仕事:完璧を求めるのは自己満足だと気づき、途中共有型のスタイルに変えた
- 育児:子どもをコントロールしようとする自分の矛盾に気づき、受け入れる姿勢に変わった
- 家事:ワンオペで限界を経験し、優先度をつける力が身についた
完璧を目指すこと自体は悪いことではありません。でも、その完璧さが本当に必要なのかを問い直す視点を持つだけで、仕事も育児も家事も、驚くほど気持ちが楽になります。
私自身、この考え方にたどり着くまでに何度も失敗しましたし、今でも「もっとちゃんとやらなきゃ」と思う瞬間はあります。
それでも、完璧を目指すか・目指さないかを毎回ゼロから悩むのではなく、「今この場面で完璧さは本当に必要か」という判断基準を1つ持てたことで、迷う時間そのものが減りました。
同じように「完璧を目指しすぎてしんどい」と感じているパパ・ママの参考になれば嬉しいです。
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